誓い

秋の訪れを告げるように咲き乱れるリコリスの花。燃えるような赤、太陽の光を浴びて輝く黄色、そして吸い込まれそうな純粋な白。その多彩な色彩は、見る人の心を一瞬にして捉え、忘れられない印象を残します。しかし、リコリスの魅力は、その華やかな見た目だけに留まりません。リコリスには、「誓い」という花言葉が存在します。 その美しい姿とは裏腹に、どこか哀愁を帯びたこの花言葉。そこには、遠い昔より語り継がれてきた、切なくも美しい物語が秘められているのです。リコリスは、地面から茎をまっすぐに伸ばし、その先に鮮やかな花を咲かせます。しかし、花が咲いている間、葉は姿を現しません。まるで、花と葉が永遠に会うことを許されない運命にあるかのようです。このことから、リコリスは「葉見ず花見ず」とも呼ばれ、その切ない姿は、昔の恋人たちの悲恋物語に重ねられてきました。「誓い」という花言葉には、もう二度と会うことのない、愛する人への変わらぬ想いが込められているのかもしれません。 リコリスの花言葉に触れることで、私たちはその奥深くに隠された、儚くも美しい物語に思いを馳せることができるのです。