
芍薬 – 内に秘めた情熱の花
大きく華やかな花を咲かせる芍薬は、古くから「花の王」と称えられ、美しさの象徴として愛されてきました。その美しさは、まるで東洋の貴婦人ような艶やかさを感じさせます。堂々と咲く姿は見る人の心を奪い、その場を華やかな雰囲気で包み込みます。芍薬は、ボタン科ボタン属の多年草で、原産地は中国です。日本へは平安時代に渡来したと言われ、以来、その華麗な姿で人々を魅了してきました。春の終わりから初夏にかけて、大輪の花を咲かせます。その花の色は、白、ピンク、赤、黄色など、多彩です。芍薬は、その美しさから「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美人の形容にも使われます。牡丹と並んで美しさの双璧をなす花として、絵画や文学の題材にもよく用いられてきました。芍薬は、その華やかさだけでなく、香りも魅力の一つです。甘く上品な香りは、心を和ませ、リラックス効果もあると言われています。芍薬の花言葉は、「恥じらい」「はにかみ」「謙遜」などです。その堂々とした見かけとは裏腹に、控えめな言葉が並びます。これは、中国の伝説に由来すると言われています。美しさだけでなく、奥ゆかしさも併せ持つ芍薬は、まさに「花の王」と呼ぶにふさわしい花と言えるでしょう。