私を忘れないで

2月の誕生花

2月7日の誕生花:ワスレナグサ

- ワスレナグサの言い伝え2月7日の誕生花であるワスレナグサ。その愛らしい姿とは裏腹に、少し悲しい恋の物語が語り継がれています。昔々、ヨーロッパのドナウ川のほとりで、一組の恋人たちが仲睦まじく散歩を楽しんでいました。川のせせらぎ、鳥のさえずり、咲き乱れる花々。辺り一面が、二人の幸せを祝福しているかのようでした。すると、男性は川辺に咲く、空色の可憐な花に目を留めました。それは、ワスレナグサの花でした。男性がその花を摘もうと、一歩、川辺に足を踏み入れた時です。バランスを崩し、そのまま急流に飲み込まれてしまったのです。「ああ!」男性は最後の力を振り絞り、手にしたワスレナグサの花を、岸辺にいる恋人に投げかけました。そして、「どうか、私のことを忘れないで…」そう言い残し、水面深くへと沈んでいきました。残された女性は、悲しみに暮れました。恋人を失った心の痛みと、愛する人の最後の言葉を、生涯忘れることはありませんでした。女性は、男性の形見となったワスレナグサの花を、肌身離さず身につけ、毎日、毎日、彼のことを想い続けたと言われています。この悲しい物語から、ワスレナグサには「真実の愛」「私を忘れないで」という花言葉が付けられました。小さな花に込められた、深く、切ない物語は、今もなお、多くの人々の心を打っています。
恋愛

勿忘草:忘れられない思い出をあなたに

勿忘草という名前は、遠い昔のドイツで生まれた、悲しい恋の物語に由来しています。舞台はドナウ川のほとり。川のきらめきと緑がまぶしい、ある晴れた日のことでした。騎士ルドルフは、恋人であるベルタと共に、川のほとりをゆっくりと散策していました。愛を語り合う二人の幸せな時間。ベルタはふと、水面に咲く可憐な青い花を見つけました。「まぁ、なんて可愛らしい花でしょう!ルドルフ、お願い。」ベルタにせがまれ、ルドルフは岸辺に咲くその花を取ろうと、手を伸ばしました。しかし、あろうことか、ルドルフの身体はバランスを崩し、そのまま急流に落ちてしまったのです。「ああ、ベルタ!ベル…!」ルドルフは必死にベルタの名を叫びますが、激しく流れる水は、あっという間に彼を飲み込んでいきます。それでもルドルフは諦めませんでした。最後の力を振り絞り、水面から顔を出した彼は、摘み取った花を岸辺のベルタに向かって投げました。「ベルタ、私のこと、忘れないでくれ…!」ルドルフの声が水面に響いた後、彼の姿は二度と水面に浮かび上がることはありませんでした。悲しみに暮れるベルタは、ルドルフの形見であるその花を髪に飾り、決して彼を忘れないと誓いました。この悲しい物語から、その花は「勿忘草」と呼ばれるようになり、「私を忘れないで」という花言葉を持つようになったのです。