
6月21日 月見草:言葉にできない、切ない想いの象徴
夕暮れ時、空が茜色に染まる頃、ひっそりと花開く月見草。6月21日の誕生花であるこの花は、その名の通り、月の光を浴びるようにして夜に咲き始めます。昼間は閉じている蕾が、夕闇が濃くなるにつれてゆっくりと開き、淡い黄色の花を咲かせる姿は、どこか神秘的な雰囲気を漂わせています。 黄昏時の柔らかな光に照らされた花は、まるで月の光を閉じ込めたように輝き、辺り一面に甘く優しい香りを漂わせます。しかし、その美しさは一晩限り。朝になると、その儚い命を終え、しぼんでしまいます。月の光を浴びて咲くことから「月の女神の使い」という異名を持つ月見草ですが、その短い命ゆえに「はかない恋」「移り気」といった花言葉も持っています。 一晩という短い時間の中で精一杯に咲き誇る姿は、私たちの心を打ち、夏の夜の儚さを教えてくれるかのようです。