早春の花

明るい

春の使者、節分草:小さな花に宿る輝き

春の息吹がまだ遠い、寒さが残る早春。他の花々がまだ眠りから覚めないうちから、節分草は地面から顔をのぞかせます。その名の通り、節分の頃に花を咲かせることから、春の訪れをそっと告げる花として愛されてきました。地面からひょっこりと伸びた茎の先に、小さく白い花を咲かせる姿は、健気という言葉がぴったりです。多くの人が花びらと勘違いするのが、この白い部分。実はこれは萼片(がくへん)と呼ばれる部分で、本当の花びらは中心で黄色く輝いている部分です。この小さな黄色い花びらは、蜜を求めてやってくる虫たちにとって、春の訪れを告げる大切な食糧となります。可憐さと力強さを併せ持つその姿は、厳しい冬を乗り越え、再び巡ってきた春の喜びを静かに、そして力強く表現しているかのようです。
神秘的

早春の使者、マンサクに秘められた力強い言葉

春の息吹がまだ感じられない、寒さ厳しい時期に、いち早く鮮やかな黄色い花を咲かせるマンサク。その名の由来は、まさに「まず咲く」「真っ先」といった言葉から来ていると言われ、古くから春の訪れを告げる花として、日本人に愛されてきました。葉が落ちる前に花を咲かせる種類と、落葉後に花を咲かせる種類があり、それぞれ異なる趣を持っています。葉がない枝に、まるでリボンを結んだように咲く花は、そのユニークな形で人々の目を惹きつけます。早春に花を咲かせることから、待ち焦がれていた春の到来を感じさせ、希望を与えてくれる花として親しまれてきました。その明るい黄色は、厳しい冬を乗り越え、新たな始まりの象徴とされています。マンサクの花言葉には、「呪文」「魔力」といった言葉も並びます。これは、その花の不思議な形と、冬の終わりと春の始まりを告げる神秘的な存在感からきているのでしょう。マンサクは、春の暖かさを待ちわびる心と、新たな季節への期待を呼び起こす、力強い生命力を感じさせてくれる花と言えるでしょう。