慈悲

秋の気配が濃くなってくる10月11日。この日を彩る誕生花は、夏の終わりから秋の始まりにかけて鮮やかなピンク色の花を咲かせるミソハギです。ミソハギは、湿地や田んぼのあぜ道など、水のある場所を好んで自生します。そのため、秋の田園風景の中に溶け込むように咲く姿をよく見かけます。すっと伸びた茎に、小さな花が穂のように密集して咲く様子は、どこか凛とした美しさを感じさせます。その花の色は、鮮やかなピンク色であることが多く、緑が多い水辺でひときわ目を引きます。一方で、ミソハギの花は、開花期間が比較的短く、すぐに散ってしまうことから、はかなさを感じさせる花でもあります。夏の終わりを告げ、静かに秋へと移り変わる季節。ミソハギは、その短い命で、私たちに季節の移ろいをそっと教えてくれる花なのかもしれません。