変わらない愛

夏の暑さが落ち着き始め、空に秋の気配が漂い始める頃、道端や野原にひっそりと美しい紫色の花を咲かせるのが、8月28日の誕生花であるキキョウです。キキョウは、古くから日本人に愛されてきた秋の七草の一つであり、万葉集の時代からその美しい姿が歌に詠まれてきました。その凛とした姿と、どこか儚げな雰囲気を漂わせる青紫色の花は、夏の終わりと秋の始まりを告げる風物詩として、多くの人々に愛されています。かつては日本の野山にたくさん咲いていたキキョウですが、近年は環境の変化や開発の影響により、その数が減少し、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されています。キキョウは、その美しい花だけでなく、根は漢方薬としても利用されています。咳止めや去痰作用があるとされ、古くから民間療法で重宝されてきました。このように、キキョウは私たちに、自然の美しさや儚さ、そして自然の力強さを教えてくれる存在として、これからも大切に守っていく必要があります。