
逆境に立ち向かう:サルトリイバラの力強さ
山野に自生するツル性の植物、サルトリイバラ。その名の由来は、茎にびっしりと生えた鋭いトゲが、まるで猿でさえも捕らえてしまうかのようであることからきています。このトゲは、他の植物や岩などに絡みつきながら、太陽の光を求めて上へ上へと伸びていくための、サルトリイバラの強さの象徴と言えるでしょう。サルトリイバラは、日当たりの良い場所を好みますが、日陰でも力強く育ちます。これは、厳しい環境にも耐え抜く、サルトリイバラの持つ生命力の強さの証と言えるでしょう。そのたくましい性質から、古くから人々の生活にも役立てられてきました。茎は、その強靭さを活かして、籠などの日用品の材料として利用されてきました。また、春に芽吹く新芽は山菜として親しまれ、秋に赤く熟す実は、生け花やリースなどの装飾として用いられるなど、その姿は季節の変化とともに、人々の目を楽しませてくれます。