不信

晩夏の夕暮れ時、赤く色づいたホオズキの実は、どこか懐かしさを漂わせる灯火のように、私たちの心を和ませてくれます。ぷっくりと膨らんだ袋状の部分は、中に赤い実を優しく包み込み、まるで大切な宝物を守っているかのようです。古くから日本人に愛されてきたホオズキですが、その花言葉には、一見意外に思えるような意味合いも込められています。「偽り」や「ごまかし」といった言葉は、その鮮やかな赤色の袋が、中身の実を実際よりも大きく見せているように見えることに由来すると言われています。しかし、一方でホオズキは、「自然美」や「心の平安」といった、穏やかな花言葉も持っています。これは、風に揺れるその姿や、静かに赤く色づいていく様子が、私たちに安らぎを与えてくれるからでしょう。このようにホオズキは、その不思議な魅力と相反する花言葉を持つことで、私たちの心を惹きつけてやまない植物と言えるでしょう。