ベラドンナ

- 美しい罠艶やかな美しさの裏に、恐るべき毒を秘めている花、それが「ベラドンナ」です。その名前は、イタリア語で「美しい女性」を意味しますが、その麗しい響きとは裏腹に、死に至るほどの危険な毒性を持ち合わせています。ベラドンナは、ナス科の多年草で、夏になると星形をした暗紫色の花を咲かせます。その姿は、妖艶でミステリアスな雰囲気を漂わせ、見る者を惹きつけずにはおかないでしょう。しかし、その美しさに心を奪われてはいけません。 根、茎、葉、実の全てに毒を含んでおり、安易に触れるのは大変危険です。特に、熟した実は甘みがあり、美味しそうに見えるため、誤って口にしてしまう事故が後を絶ちません。口にすると、嘔吐や下痢、呼吸困難といった症状が現れ、最悪の場合、命を落とすこともあります。かつては、その毒性を薬用として利用していた時代もありましたが、現在では、その危険性から使用されることはほとんどありません。 ベラドンナは、美しいものには毒があるということを、身をもって教えてくれる花と言えるでしょう。