
ジャーマンアイリス:その豊かさに秘められた物語
虹色の使いと呼ばれるジャーマンアイリス。その豪華絢爛な姿は、ヨーロッパの地で古くから愛されてきました。古代ギリシャの人々は、この花に神々の使いであるイリスの面影を重ねていました。ギリシャ神話に登場する女神イリスは、虹の橋を渡り、神々と人間の世界を繋ぐ役割を担っていました。大きく空に向かって開く花びらは、虹のアーチを思わせ、人々はイリスが花の姿を変えて地上に舞い降りたのではないかと考えたのでしょう。ジャーマンアイリスの花言葉である「豊満」は、まさに天からの恵みをもたらすイリスの役割を表しているかのようです。溢れんばかりの美しさを持つこの花は、豊穣と繁栄の象徴として、古代の人々にとって特別な存在であったに違いありません。