
8月1日の誕生花:オシロイバナの二面性
夕暮れ時、空が茜色に染まり始める頃、ひっそりと花開くオシロイバナ。8月1日の誕生花であるこの花は、「夕方の美人」という別名を持つように、日中は蕾を閉じ、夕刻になるのを待ってその美しさを披露します。午後4時頃から花開き始め、あたりに甘い香りを漂わせる姿は、夏の夜の訪れを告げるかのようです。その様子はどこか神秘的で、夏の暑さを忘れさせてくれるような、涼やかな印象を与えてくれます。子ども時代、オシロイバナで遊んだ記憶を持つ人も多いのではないでしょうか。黒い種を割ると、中には白い粉が入っていて、それを顔に塗って遊んだ経験は、誰もが一度は持つ夏の思い出でしょう。また、花の蜜を吸ったり、花びらを使って色水を作ったりと、オシロイバナは、夏の夕暮れ時を彩る、懐かしい遊び相手でもありました。オシロイバナの花言葉には、「内気」「臆病」「恋の始まり」などがあります。夕暮れ時に咲くことから、物静かで控えめな印象を受ける一方で、甘い香りと鮮やかな花の色は、秘めた恋心を連想させます。夏の夜、ひっそりと咲くオシロイバナの姿は、私たちに、夏の終わりの切なさと、新たな季節への期待を感じさせてくれるでしょう。