
10月21日の誕生花:凛とした美しさのアザミ
- アザミの凛とした美しさその生態と歴史を探るアザミは、キク科アザミ属に分類される植物の総称です。世界中に250種以上の仲間が存在し、日本にも100種ほどが自生しています。多くは多年草または二年草で、道端や野原など、さまざまな場所で力強く生育する姿が見られます。アザミと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、あの鮮やかな紫色の花でしょう。その複雑で美しい構造は、小さな筒状の花が密集して頭状花序を形成したものです。開花期は種によって異なりますが、主に春から夏にかけて、その凛とした美しさを咲かせます。アザミの大きな特徴の一つに、葉に鋭いトゲを持つことが挙げられます。これは、草食動物から身を守るための進化の結果だと考えられています。このトゲは、触れると痛みを伴うため、古くから防犯対策として家の周りに植えられることもありました。アザミは、その力強い姿と相まって、世界各地で伝説や逸話の題材となってきました。特に有名なのは、スコットランドの国花としてのアザミでしょう。13世紀、ノルウェー軍がスコットランドに侵攻した際、夜襲を仕掛けようとした敵兵がアザミのトゲを踏んで声を上げたため、スコットランド軍は難を逃れることができたと言われています。この故事から、アザミは「独立」「守護」などの象徴として、スコットランドの人々に愛され続けています。