いつも想っています

春の柔らかな日差しが降り注ぐ季節になると、道端や野原に、小さな星を散りばめたようにハハコグサが咲き始めます。その控えめながらも愛らしい姿は、春の風景にそっと温かみを添えてくれます。ハハコグサの花は、淡い黄色い小花がいくつも集まって、まるで小さな太陽のようです。その可憐な姿からは想像もつきませんが、ハハコグサは厳しい環境にも負けずに力強く咲く、生命力の強い植物でもあります。古くから人々に親しまれてきたハハコグサは、春の七草の一つとしても知られています。春の七草とは、早春に芽吹く7種類の草を指し、無病息災を願って七草粥にして食べるという風習が、現代まで大切に受け継がれています。春の野に咲く小さな輝き、ハハコグサ。その愛らしい姿と力強い生命力は、私たちに春の訪れを告げるとともに、生命の力強さ、そして自然の素晴らしさを教えてくれます。